水産加工工場でのリステリア菌対策

施設にとって脅威となる、このしつこい細菌を特定するには何から始めるべきか

サケの切り身にあるリステリア菌を見つけ出す拡大鏡

「工場は毎晩大量の細菌に狙われています。そしておそらく侵入を許していることでしょう」

Commercial Food Sanitationの創立者であり上級顧問を務めるJoe Stoutは、水産加工施設にとってリステリア菌(リステリア・モノサイトゲネス)がいかに蔓延しやすく危険なものであるかを理解しています。

水産業界のあらゆる製造業者は日々リステリア菌に悪戦苦闘しています。この敵は目に見えず、しぶとく、隠れるのが得意で除去することは困難です。

この危険な細菌を見つけ出し、増殖や製品の汚染を防ぐにはどんなことに注意し、どんな対策を行うのがよいでしょうか?

施設、コンベア、作業方法、チームメンバーに関する質問を用意しました。これを利用することでリステリア菌とうまく戦うことができるでしょう。ですが、まずは次の点をご確認ください。

水産加工施設でのリステリア菌対策が特に難しいとされる理由

水産物は水揚げされた時点から、次のようにリステリア菌が増殖しようとするさまざまな状況にさらされます。

  • 収穫:水揚げされた水産物は他の魚と一緒に容器に入れられたり、船上ではシャベルを使って乱暴に扱われます。船上で適切な衛生処理が行われない場合には二次汚染が発生することがあります。
  • 湿気:細菌は湿度の高い環境で活発になります。そして水産加工工場ではいつでも水が供給されています。
  • 温度:水産加工施設が低温であれば、サルモネラ菌や大腸菌など一部の細菌の増殖は抑えられますが、リステリア菌は低温であっても増殖できます。事実、凍えるような環境でリステリア菌と張り合えるような細菌はほとんどありません。
サーモドライブベルト上にある丸みを帯びた肌色の魚の切り身

食品の接触面を検査してください。イントラロックスの衛生的なモジュールプラスチックベルトとサーモドライブベルトは、穴が無く非吸収性で清掃が容易です。

工場の機器は衛生的な設計になっていますか?

織物のベルト、クローズドヒンジ、サンドイッチジョイント、中空ローラーなどはリステリア菌が増殖し水産物の二次汚染の原因となる場所のほんの一部です。「たとえば機器に薬品や光が届かないような狭いコーナーがあれば、リステリア菌のコロニーが増殖する汚染場所になる可能性があります」とStoutは話します。

衛生の原則を念頭に置いて設計されたコンベアやベルト、そして機器はよりオープンでかつ穴が無い、隙間も少ないものになっています。これはつまりリステリア菌が隠れたり増殖したりする場所がほとんど無いということです。

効果的な環境モニタリングプログラムを実施していますか?

工場の状況を監視することはできても、細菌を見ることはできません。無数にいたとしてもです。リステリア菌が施設内にいる場合は必ず見つけ出さなくてはなりません。環境モニタリングが重要であるのはこのためです。

「清掃を行うことに積極的な企業はリステリア菌を見つけ出すことができます」とStoutは話します。「工場の環境をできる限り把握するためには、権限を持って清掃を行う必要があるということを言いたいのです」

見ることができず、手も届かなければ細菌をサンプリングすることも清掃することもできません。これは潜在的な問題であり、衛生的な設計がなされていないことは明らかです。

Joe Stout
Joe Stout
Commercial Food Sanitationの創立者、上級顧問

どのような方法で処理を行っていますか?

清掃のプロセスは組織化された効果的なものになっているでしょうか?清掃のやり直しや、二次汚染が起こることのないよう最適な清掃の手順を決定しましょう。また、清掃をしっかりと、そして手早く行うために必要なツールをチームに提供することも大事です。 

旧式の機器の隙間のある箇所を管理するには、頻度を設定して定期的に分解と徹底的な清掃を行うことをおすすめします。こうすることで普段の清掃では除去できないリステリア菌のコロニーまで手が届くようになります。

自動化によって二次汚染を防ぐことを検討しましたか?

従業員を雇うことで、工場のプロセスを自動化するテクノロジーへ投資する代わりになると考えられています。ですが、適切な機器の導入によって処理能力の向上といった付加価値が得られるだけでなく、二次汚染などの災害を防ぐこともできるのです。

「自動化することで、適正製造規範(GMP)を遵守しない従業員が二次汚染を起こしてしまうリスクを減らすことができます」とStoutは説明します。 工場の従業員は床から物を拾った後に製品に触れるといった不衛生な行動を取って細菌をばらまいてしまうことがあります。ですが、機器であればこうした二次汚染のリスクは発生しません。

「水産加工機器のリステリア菌潜伏箇所トップ5」のPDFの表紙

水産加工機器でリステリア菌が潜伏しやすい箇所トップ5

リステリア菌はコンベアのどこに隠れているのでしょうか?工場内の点検箇所を説明した便利なツールを作成しました。

詳細情報

施設での食品安全性と病原体への対策にチームでのアプローチを行っていますか?

毎日この問題に取り組むのは大変なことです。ですが、世界中の水産加工工場でリステリア菌の様に隠れたり増殖したりする細菌を相手に戦うには必要なことです。

1人だけで、または1チームだけではこの問題に取り組むことはできません。「食品安全文化」という言葉をご存じでしょうか?工場には適切な場所で適切に行われる効果的なプログラムを用意する必要があります。そうすることで常に安全な食品が作られるのです。Stoutはこの考えをさらに進めて、こう話します。「私はこれを思いやりの文化と呼びたいと思います。工場の誰しもが安全な食品を作るための適切な行動に取り組むのです」

イントラロックスチームからのヒント:工場では清潔なブレードを使用してください。スポンジスキージーは乾燥しにくく常に水分を含むため、リステリア菌を引き寄せてしまいます。

リステリア菌を除去することは食品安全性の専門家が抱える最も悩ましい問題の1つです。

隙間箇所のある密閉された機器を使用しており、病原体への対策にあまり警戒心を持って臨んでいない、湿度が高く寒い施設では、細菌が増殖するのに必要な要素がすべて揃っています。

適切なベルト、機器、そしてサービスパートナーが揃えば、リステリア菌との戦いに勝つために必要なすべてを備えた工場にすることができます。

何から始めるべきかお悩みですか?

イントラロックスとCommercial Food Sanitationが作成したガイド「水産加工機器でリステリア菌が潜伏しやすい箇所トップ5」をダウンロードしてください。


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